大人の体内には、4~5リットルの血液が流れています。
そのうち20%が急速に失われると出血性ショックという重要臓器への血液循環が不足した状態となり、30%以上の出血では生命に危険を及ぼすと言われています。
したがって出血量が多いほど、迅速な止血処置が必要です。
止血処置の主なものは、下記のとおりです。
直接圧迫止血法
○清潔なガーゼやハンカチなどを傷口に当て、手で圧迫する。
○大量の出血で、片手で圧迫しても止血できない場合は、両手で体重を乗せながら圧迫する。
○以上の処置のうえ、傷口を心臓より高い位置に上げる。
※感染防止のため、ゴム手袋などを利用し、血液に直接触れないよう注意する。
止血帯法
○切断している場合や、大量の動脈性出血などの場合、上記の直接圧迫止血では困難な場合に用いる。
○止血帯が装着できる部位は、上肢では上腕部、下肢では大腿部のみである。
※止血帯は3cm以上の幅のものを用いる。
※止血帯の装着時間を記録しておき、30分経過ごとに、数分間止血帯を緩め、末梢への血流の再開を図り、再度緊縛する。