消防署の一日〔大洲地区広域消防事務組合〕

 わたしたち消防職員は、災害から住民の生命・財産を守ることが仕事です。出動がなくても、訓練や点検で毎日があっという間に過ぎていきます。ここでは、そんな消防署の1日や勤務体制について紹介します。

勤務体制について

大洲消防の勤務体制は、 毎日勤務と2交替制勤務であり、次のように勤務しています。

〇毎日勤務

勤務時間  8:30~17:15
週休2日、平日5日勤務
毎日勤務職員は、消防本部において、総務、予防及び警防業務を担当としている職員がいます。

〇2交替制勤務

勤務時間 8:30~翌8:30
4週間(28日)を1 サイクルとした2交替の当直勤務です。
2交替制勤務職員は、消防署において、主に災害対応を担当としている職員がいます。
※職員が2部に分かれ、当直勤務・非番の順序に隔日ごとに勤務し、一定の期間で週休日を設けます。

毎日勤務者の1日

一般的な公務員のように平日の昼間働き、土日祝日に休みとなる勤務形態で、「日勤」と呼ばれることも多いです。
消防長や署長などの幹部職員をはじめ、管理職はほとんどが毎日勤務になります。

〇タイムスケジュール

8:30 ~ 12:00各担当業務
12:00 ~ 13:00昼食・休憩
13:00 ~ 17:15各担当業務

〈総務課〉組織や職員一人ひとりが円滑に業務を遂行できるように全体を支える 役割を担っています。
主な仕事:人事・労務管理、庶務、会計・予算管理、施設管理など

〈予防課〉火災を「消す」よりも火災を起こさない・被害を小さくするための役割を担っています。
主な仕事:事業所や危険物施設などの立入検査、建築確認・設備の審査、防火管理指導、火災原因調査、広報など

〈警防課〉火災や災害が発生したときの現場活動を統括し、住民や活動隊員の安全を守る役割を担っています。
主な仕事:火災・災害対応の指揮、警防計画の策定、消防職員の教育・訓練、資器材・車両管理など

2交替制勤務者の1日(大洲消防署本署)

8:30 勤務交代・引継ぎ

 毎朝、勤務を始める部隊と勤務が終わる部隊が、災害出動や資器材の異常の有無、 事務作業についての申し送りを行い、業務を引き継ぎます。

8:40 業務打合せ

 その日の当直勤務部隊が集まり、出動体制や業務予定の確認、道路の通行止め場所や水道の断水箇所などの確認をします。
 また、その日に避難訓練や救命講習などの指導、立入検査などの要請があれば、基本的に当直勤務者で対応します。

9:00 体操・車両点検

 防火服などの個人資器材を確認したあとは、みんなで体操を行います。朝一番の体操で体をほぐし、災害現場で最高のパフォーマンスを発揮するため、事故を起こさないようにするために、体を目覚めさせてから業務に従事します。
 その後、車両のライトや積載資器材の点検をし、災害に備えます。

9:30 資器材点検

 災害現場で使用する資器材は数多くあるため、その日決められた資器材を点検します。破損個所がないか目視で確認したり、実際に使用して作動確認を行ったりします。点検する資器材は毎日違うため、ある程度の期間で全ての資器材が点検できます。

10:00 各種訓練・各種業務

 どのような災害が発生しても、確実・迅速に対応できるよう、1日の業務の中でさまざまな訓練を行っています。主な訓練は、火災対応訓練、救急訓練、救助訓練などです。
 そのほか、現場活動報告書を作成したり、担当している係の仕事をこなします。
 また、事業所に行き、消防用設備や危険物施設などの立入検査を行ったり、要請があれば避難訓練や救命講習などの指導に出向いたりもします。

12:00 昼食・休憩

 昼食は、個人で弁当を持参したり、宅配弁当を頼む隊員もいます。そのほか、みんなで協力してご飯を作る場合もあります。
 災害は長期化する場合もあるため、しっかり食べてしっかり休憩します。
 もちろん、災害があればすぐに出動します。カップラーメンにお湯を注いだ瞬間、「出動指令」が鳴ることもしばしばあります。

13:00 各種訓練・各種業務

 午後からも、災害現場対応の訓練や事務処理を行います。
 そのほか、避難訓練や救命講習の指導、立入検査などをこなし、自分が担当している仕事を行います。
 火災や救急、救助などが発生した場合は、現場対応を最優先します。

17:00 庁舎巡視

 庁舎や車両に異常がないかを巡視します。
 巡視は17時だけではなく、22時と翌朝7時の計3回行います。
 小さなことでも気づく習慣を身につけることで、その気づきが普段の事務処理や、災害現場でも役立ちます。

17:15 夕食・休憩

 夕食はみんなで作ることもあります。食事を作るのもチームワークが必要です。連携して迅速に料理を作り、みんなで美味しく食べ、いつ、どこで起こるか分からない災害に備えます。

18:15 体力錬成・個人訓練

 空いている時間を使い、体力の向上を図ります。ランニングや筋力トレーニング、自分に足りないものを補う訓練など、隊員によってさまざまなことを行います。

19:30 机上業務

 自分の仕事や報告書を作成したり、提出があった届出書や公文書を処理します。時間があれば、座学を行ったり、個人訓練を行ったりもします。

21:00 ミーティング

 その日行った仕事の確認や周知事項の共有、夜間の災害出動体制の確認、その日にあった災害現場の振り返りなどを行います。

22:00~翌6:30 仮眠・夜間勤務

 夜間は交替で仮眠をとります。隊員は約2時間、夜間勤務が割り振られ、交替で勤務します。
 仮眠中は、活動服や救助服のまま休み、災害があればすぐに出動できるようにしています。

6:30 庁舎清掃・車両整備

 朝起きたら、庁舎内の清掃を行います。車両もピカピカに磨き上げ、次の部隊に引き継ぐ準備をします。

8:30 勤務交代・引継ぎ

 次の勤務部隊に業務を引き継ぎます。これで24時間の仕事が終了し、非番となります。
 非番の日は、家に帰ってゆっくり休んだり、自分の趣味に時間を費やしたりします。まだ体力に余裕のある人は、管内の地理や消火栓の場所を覚えに行ったりなど、有効に時間を活用します。

その他の紹介

消防長点検・署長点検

 大洲消防では月に1度、制服を着用して点検を行います。消防長や署長に身だしなみや消防手帳などの確認をしてもらい、風紀を維持します。

通信指令室勤務

 通信指令室では、24時間365日、119番通報に対応しています。

訓練指導・講習・立入検査

 地域住民や事業所からの要請があれば、避難訓練や救命講習、防火・防災講習などにも対応しています。また、火災予防のため各事業所へ立入検査に行き、消火器など消防用設備等の設置・維持状況の確認や、危険物施設などの管理状況の確認も行います。

各種訓練風景